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11月15日 恋人たち 

151115



『ぐるりのこと。』から七年、『ハッシュ!』からは十三年、昨日公開初日だった橋口亮輔『恋人たち』を京都シネマで観た。

橋口亮輔の映画に対する十代の終わりから二十代初めの頃の個人的な思い入れは簡単に書けるようなものじゃないけれど、前作から七年も経てば映画も作り手も観る人間も周囲の状況もその時間のなかで変化を遂げていて、それでもその変化も含めて七年ごしに変わらずその作り手と映画に、映画館で待ち合わせるようにふたたび出会えること、それを心待ちにできること自体が、同時代を生きていることや続いていく時間の渦中にいることの特権であり楽しみだ。
橋口亮輔のフィルターを通して見る世界は七年の時を経てますます理不尽や無理解が色濃く映りシリアスにならざるを得ないけれど、それでもそこで何とか生きていく、生きていこうとする人々を捉える作り手の眼差しそのものが、観る者と観られる者を、スクリーンのあちらとこちらに広がる不器用な日常を、真摯な態度で優しく照らし出し、つよく肯定してみせる(鶏を追う二人に降り注ぐ夕陽の光の美しさ!)。

わかりやすい救いはまったくないし、日常はいつでも簡単に崩れる脆いもので、崩れた身体を起こす気力さえ削ぐようなディスコミニケーションがいつの間にか恒常化したこの国で、それでも仄かな希望を繋いでいくことが生きさせるものがあるということへの確信が描き出すラストは心に迫る。
ワークショップから主演に抜擢されたまったく無名の新人俳優の三人は、けっしてフィルム映えする美男美女ではないけれど、その平凡で普通の顔が観ている時間のなかで「いい顔」に変化していくのが観ていて不思議に心地よい、優れたドキュメンタリーのような(けれど、ドキュメンタリーではきっと映しだせない残酷も奇跡も含んだ)素晴らしい映画、を観た土曜だった。









(Y)

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