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3月9日 三十歳までなんか生きるなと思っていた 

雨


 

 人生で三十番目の年を迎えても、人々は彼を若者と見なし続けるだろう。しかし彼自身は、何か自分に変化を見いだすわけではないにせよ、確信が持てなくなってくる。自分には、もう若いと主張する資格はないような気がするのだ。そしてある朝、彼は目を覚ます。いつか忘れてしまうのだろう、ある一日。そんな日に、彼は突然、体を起こすことができないまま、横になっている。新しい日を過ごすためのあらゆる武器や勇気を奪われて、厳しい光線に晒されて。自分を守ろうと目を閉じれば、彼は沈み、これまでに生きたすべての瞬間もろとも、失神状態のなかに押し流されてしまう。(中略)…ふたたび意識を取り戻し、震えながら考えを巡らし、ふたたび一つの体、まもなく起き上がってその日の仕事に出かけなければいけない一人の人間に戻ったとき、彼は自分のなかに、不可思議な能力を発見する。それは、思い出すという能力だ。




その一頁目をこんな文章ではじめる表題作「三十歳」を含む、
オーストリアの女性詩人インゲボルク・バッハマンの短編集
『三十歳』(岩波書店)を読む、29歳の春。
振り子のように幾度も振れる、共感と反感のあいだでする読書。
(※タイトルは保坂和志の同名エッセイより拝借)


今年に入っていちばんテンション上がったかもしれない
corinne bailey rae、6年ぶりの新譜の報せ。5月13日!


(Y)

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