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FUTABA+のあかさたな

FUTABA+京都マルイ店の本と雑貨とそれ以外

5月10日 これ以上すてきなものがなくならないように* 

1ドーナッツ


「はぁ~。」

大きなため息をついているこの大きな女の子の名前はミス平凡パンチ。
ミス平凡パンチは京都の本屋さんで働いている非常に平凡な女の子です。
決して「平凡パンチ」の表紙になりそうな女の子という意味ではありません。

お客さん「あの~」
ミス「はぁ~」
お客さん「すみません…」
ミス「はぁ~」
お客さん「ちょっと!」
ミス「…え。(キョロキョロ)はっ、すみません!」

毎日この繰り返しです。

ミス「なんだか心にぽっかり穴があいてるみたい。」

一体どうしたというのでしょう。

ミス「理由はね、なんとなくわかってるのよ。きっとね、ドーナッツを食べ過ぎたんだわ。
  私ドーナッツが好きなんだもん。」

30歳の独身女のメルヘンは目も当てられませんが、彼女はそう信じているみたいです。

ミス「でもこの穴を埋めなきゃいけないわね。一体どうすればいいのかしら。
   このままじゃミス平凡パンチのミスは失敗のミスになっちゃう!」

ある日のこと。
いつもどおりに本屋さんにやってきたミス平凡パンチはなんだかお店の様子がいつもと違うことに気がつきました。

ミス「あら、あれはなにかしら」

なんとお店の本棚の一部が光っています。
お店にいる他の人たちは気づいていません。

ミス「まあ、私にしか見えないのかしら。ねえ店長。あそこの棚、変じゃないですか?」
店長「ん?何もおかしくないと思うけど。」
ミス「だって光ってますよ!」
店長「・・・」

店長は苦笑いをしながらどこかに行ってしまいました。

ミス「なにさ!」
ミス平凡パンチは店長には厳しいようです。

その日の夜。
もうすぐお店が閉まる時間です。

nagaharu.jpg


お客さん「すみません。この本をください。」
ミス「はい、いらっしゃいませ…あ!」
ミス平凡パンチはびっくりしてしまいました。
なぜって、そのお客さんが持っていた本がピカピカ光って見えなかったのです。
ミス「お客様、あそこの棚から持ってこられたのですか?」
お客さん「そうですよ。ほほほ。」
ミス「他の人には見えなかったんです。私とお客さんだけです。あれ、お客さんもしかして・・・」
お客さん「いやあ映画って本当にいいもんですね。」
ミス「淀川さん!」

なんとミス平凡パンチが接客していた相手は映画評論家の淀川長治さんだったのです。

ミス「どうしてここに?」
淀川長治「あなたはこの場所からさよならさよならさよならしなければなりませんねえ。」
ミス「え?」
淀川長治「さよならだけどさよならじゃない。」
ミス「…」
今のは、やまだかつてないWinkの歌だと思ったけれど、それを言うと年齢がばれるので黙っていました。
淀川長治「私についてきなさい。」
ミス「はい。」
そして、ミス平凡パンチはとことこレジのカウンターを出て、淀川さんと一緒に本屋さんを出て行きました。

それからのミス平凡パンチのゆくえは誰にもわかりません。
一緒に働いていたスタッフのみんなも店長も、はじめはどこにいったんだろうなどと話したりしていましたが、
そのうちみんなミス平凡パンチのことを話さなくなりました。
きっと、忘れてしまったのでしょう。
だから、これを読んでいるみなさんが京都の本屋さんでミス平凡パンチに会おうと思ってももう会うことはできません。
しかし、ミス平凡パンチは非常に平凡な女の子なので、気がつくとあなたのとなりでため息をついているかもしれません。
「なんて私は平凡なのー!」ってね。

おしまい。

ドーナッツ2


【特別出演】
淀川長治さん(1909~1998)
映画の大好きなおじさん。ミス平凡パンチはこの人の本を買わずにはいられないくらいこの人の本が好き。

そして手の出演はわがFUTABA+の店長。
今日は教頭先生みたいな格好でした。(i)

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