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2月10日 祈り 

2月10日
芥川賞を受賞した『九年前の祈り』を読んだ。
著者は「浦」と呼ばれる大分県の港町を舞台に小説を書き続けてきた。無論、著者の生まれ育った環境がバックグラウンドにある。その「浦/小説群」の結実ともいえる作品が今作『九年前の祈り』である。

読んでからというものの、「祈り」について考えてしまう。
わたしはクリスチャンでもなければ、教会にも行ったことがない。自分にとって「祈る」ことは思っていたよりも遠いようだ。
「祈り」とは神や、人智もよらぬ領域に思いをよせること。古代中国ではその対象は山であり、エジプトでは太陽だった。
「祈り」とは、超越者を前にして、自己の有限さと無力さを自覚することでもある。

いつか自分も祈りを捧げる日がくるだろうか。
『九年前の祈り』で捧げられた母親たちの祈りはどこに届いただろうか。

■『九年前の祈り』小野正嗣 講談社
自分のもとを去っていったカナダ人、フレデリックとの間に生まれた子ども「希敏(ケビン)」。その美しい顔をもつ息子は、一度スイッチが入ると引きちぎられたミミズのようにのたうちまわり手がつけられない。九年の時を経て重なり合う二人の母親が捧げた祈り。
第152回芥川賞受賞。
例年どおり文藝春秋三月号に受賞作が全文掲載されていますが、単行本の他の短編作品とあわせて読むべき作品だと思います。
(K)

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