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FUTABA+のあかさたな

FUTABA+京都マルイ店の本と雑貨とそれ以外

2月17日 言語のアップデート 

2月17日 
書棚を整理していると、裏に「いものからあげ」と書かれているレシートを発見した。
次いで「チジミシャツ」「エンガチョ」「オガライト」と間の抜けたような言葉が並ぶ。
実はこれ『富士日記』を読んだときに、見慣れぬ単語をメモしたもの。

少し前に発売された赤瀬川原平の『妄想科学小説』にこんな一節がある。

‐‐‐言葉において、音声言語のズレが重なっていく結果は、一国の言語が二百年ほどで外国語に等しいものに変貌しているという。私たちは全員がいっしょに一日、二日とズレているので「外国語」に出会うことはないのだけれど、私たちは全員がいっしょに一日、二日と少しずつ「外国人」に変貌している。‐‐‐

『富士日記』から五十年。確かに私たちの言葉は変容している。ここで赤瀬川原平が述べていることが音声言語に限ったことだとしても。

殊に海外文学においては「新訳」がある。既存の翻訳からその時代に合わせた言葉に、あるいは平易な言葉に訳し変え、必要に応じて注釈を挿入する。翻訳のアップデート。
日本文学においても新しい試みが始まった。昨年末から刊行が開始された池澤夏樹編の『日本文学全集』。「古事記」や「たけくらべ」などの日本古典文学を私たちも慣れ親しんだ作家陣が現代語に訳している。これもまた言葉の、文学のアップデート。

そして百年後、今我々が読んでいる本もアップデートの対象になっているかもしれない。これを繰り返して私たちは新しい言語に近づいていて、赤瀬川原平の言葉を借りれば、私たちは今日も少しずつ「外国人」になっていく。
(K)

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