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3月20日 『最後のユニコーン』続編を読んで 

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ピーター・S・ビーグルの名著『最後のユニコーン』が復刊(金原瑞人訳 2009)していたことは知っていたけれど、私は旧訳本(鏡明訳 1979)を所有していたため、買わなかった。新訳本の表紙絵は、とても美しかったけれど。一旦一つの訳文に心が染まると、他の訳で読もうという気持ちには、なかなかなれないものだから。
しかし、私は相当ぼんやり見ていたらしい。つい先日、又あの表紙絵が見たくなってパソコン画面で眺めていたら、気づいた。新訳本には、『ふたつの心臓』という続編がついていると。私はショックを受けながら注文し、数日後に届いた箱をはやる気持ちでやぶり、あらわれた美しいユニコーンの絵に一瞬目を止めた後、早速本編を飛ばして続編を読み始めた。

続編には、本編での主要な登場人物がみんないて、ここに新しい小さな主役、スーズという少女が登場する。かつてより年老いてしまった其々の存在が、再び絡みあって織りなす、逃れられない運命の道行き……。その道程にもラストシーンにも、ただ悲しいだけではない明るい灯を、少女は添えていた。
私はこのユニコーンが不死であるということを思い出して、やはり悲しくてならなかったが、嬉しい、という……ふしぎな感動を、再び味わった。

訳者あとがきに、ピーター・S・ビーグル自身がこの続編のために書いた「前書き」が掲載されている。

 

……それだけでなく、ひとつ問題を抱えてしまった。というのは、この中編の幼い語り手スーズを呼びもどして、どこに行きたいのか見届けようと思っている。この行きつく先は、わたしにはもうわかっているのだが、『最後のユニコーン』の続編、それも長編になることだろう。つまり、かつて、二度と書かないと誓った作品になる。わたしのロシア系のおじなら、‘Bozhe moy’というところだろう。「まったく」という意味だ。(『完全版 最後のユニコーン』金原瑞人訳 2009 「訳者あとがき」より)



私は、嬉しくて笑ってしまった。しかし、本編から続編の間に、実に37年もの月日が流れていたことを思うと……この長編となるはずの続編は、一体いつ書かれ、出版され、そして日本語に翻訳されることになるのだろう?
それでも、希望が残された。私は、やはり嬉しい。とっておきの楽しみにして、何年でも、何十年でも、待っていようと思う。(よ)

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