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6月14日 感想はノンフィクション 

―小津監督作品は眠くなっちゃうんです。(私)
―いろんな人を敵に回してるわね、あなた(笑)。(原節子)


原節子(以下原)「お久しぶりね」

私「はい、お久しぶりです。無事シネヌーヴォでの原節子映画祭終わりましたね。」

原「ええ。あなたはいくつ観たの?」

私「3つ見逃したので、39作品です。」

原「あらそんなに。どれが好きだった?」

私「一番好きなのは成瀬巳喜男監督の『めし』です。この映画で初めて成瀬監督の作品を観たのですが、人の心の描き方が本当に上手で、出演者全員の気持ちがちゃんと分かるんです。それと私、ちゃんと怒る人が好きで、この作品の中で小林桂樹さん演じる役が自分勝手に振る舞い周りを巻き込んでいく女の子に向かって『感情をべたつかせるやつは嫌いだ』って言うシーンがあってそれを聞いて背筋がぐにょんと伸びました(笑)。でもそういう人が本当の意味で親切なんだと思うんですけど、なかなかそうなれないですね。」

原「そうねえ。私もどちらかというとはっきり言う方よ。水着撮影を断ったりもしたし、『山の音』ではお風呂のシーンを断ったわ。他の映画はどう?」

私「次に好きなのは佐分利信監督の『愛情の決算』です。これは、戦争が終わって戦争未亡人になった女性と亡くなった旦那さんと同じ部隊にいた上司の人が結婚するんですが、愛情からというよりは息子もいるので生きていくためという意味合いの強い結婚。でも戦争が終わった直後に贅沢も言ってられないと生きていくんですが、本当の気持ちは別の人が好き…。それを10年間という時間の中で登場人物の心の動きを見事に表現しています。戦後10年でこんなに日本が変わったんですよって。この映画の切ないところは誰も悪くないというところです。原さん演じる未亡人も、同情して結婚する上司も、未亡人に恋する同僚も悪くない。自分の気持ちに正直になるのは今の時代では当たり前のように考えられていますが、戦争が終わった直後の混乱期は仕事なんかないし、夫が生きているかどうか分からない人もたくさんいてこれからどうして生きていけばいいか分からないときに、頼れる人が現れたらとにかくすがりつきたくなる気持ちも分かります。結婚した上司もなかなか戦争の呪縛から逃れられない。ポン菓子ができる音と弾の音を勘違いして逃げるシーンとか切ないけれど、戦後にはこういう人たちがたくさんいたんだろうなと思います。誰も責められない、そこがもう観ててたまらない気持ちになりました。」

原「戦争は何もかも奪っていったのよ。あれからもう70年も経つなんて信じられないわ。」

私「佐分利さんの演技力にもびっくりしました。『誘惑』の時の大人しい政治家、『美しき母』では家を滅ぼすダメ亭主、どれも言われないと佐分利さんって気づかない。しかも監督としても活躍されてすごいですね。」

原「すごい褒めようね。お喜びになると思うわ。小津監督はどう?」

私「えっと・・・・・・」

原「・・・あら、あなた、寝てたわね(笑)。」

私「『小早川家の秋』は起きてました!でも他の観た作品は会話がまだろっこしくて。同じことを何回も言うんですよ。『そうなのか』『ええそうよ』『やっぱりそうか』『ええやっぱりそうなのよ』いや、もう分かったよ!ってなっちゃうんです。でもカラー映画であることを心から楽しんでいらっしゃるようでした。確かに赤が印象的に配置されてましたし、ひとコマひとコマが展覧会の絵のようできれいでした。あとすごく静かですよね。昔の映画って楽しいシーンでは音楽が大音量で流れて、悲しいシーンでもやっぱり大音量でどーんって流れてますけど、小津監督作品は静か。だから眠くなっちゃうんです。」

原「いろんな人を敵に回してるわね、あなた(笑)。でもそれが本当の感想ならいいんじゃないかしら。」

私「『小早川家の秋』はよかったですよ。三番目に好きですね。」

原「今さら取り戻そうたって無駄よ(笑)。」



―昔の映画ってツッコミどころが満載なんです。そこが好きなんです。(私)
―変な子ね(笑)。(原節子)


私「今回、いろんな昔の作品を観て思ったのは、私はツッコミたいんだなって思いました。」

原「どういうことかしら?」

私「昔の映画ってツッコミどころが満載なんです。」

原「たとえば?」

私「『女であること』のオープニングの出演者の名前が出てくるシーンで丸山明宏(今の美輪明宏)が歌ってるんですけど、そっちに目がいってしまって全然出演者が頭に入ってこなかったり、『青い山脈』でカップルの男の子がボコボコにやられて、一緒にいる女の子に<帰ってくれ!>って言うんですが女の子は<私、あなたのこと大好きだわ!大好きなんだわ!>って急に言い出したり。いや、そっとしといてあげなよって思っちゃう。『慕情の人』の三橋達也さんと原節子さんのキスシーンが見せないようにするためか急に変な動きになって早回しみたいになってたり。『娘・妻・母』での原さんのセリフ<このごろ、女と靴下は強くなったって言うけど・・・>。急にうまいこと言ってるやんっていう(笑)。あと『白痴』の2時間たったあたりの原節子さんの表情は思わず、「なんちゅう顔しとんねん!」とツッコんでしまいました。緊張感あるあの長い映画をずーっと観ててあんな顔されたら誰だってツッコみますよ(笑)。あ、これですこれです。」

face.jpg

原「あれはそういう演技指導だったのよ。おおげさにするっていうね。」

私「でも、誤解されるかもしれませんがそういうのを馬鹿にしているわけではなくて、そういう部分があるからこそ、その作品が好きになるんです。一生懸命にしているというのが重要です。」

原「変な子ね(笑)。でも楽しんでくれたみたいでよかったわ。」

私「原さん以外にも好きな俳優さんも増えましたし、これからもどんどん昔の映画を観ていきたいと思います。言葉遣いもきれいですしね。私もまねしてます。」

原「あなた、品行は直せても品性は直らないのよ。」

私「それ、『小早川家の秋』で言ってたセリフ!生で聞けて光栄です(笑)。」

yukiko.jpg


※この対談はすべてフィクションです。って書かなきゃダメですか、やっぱり?(i)

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